内装業・工務店の会社設立を検討されている方へ

内装業・工務店などの事業で会社設立される場合、法律上は『建設業』という範囲の中で設立することとなります。
建設業での開業・会社設立では、建設業許可を受けられるかどうか、労災、安全管理、資金調達、資金繰りなど注意しなくてはならないことがあります。

他にも、
開業・会社を設立にあたって、許可申請・経営審査などについても相談したい!
事業を始めるときの、専門的な注意事項などを教えて欲しい!
個人事業から会社設立をするメリットは?
などのご相談をよくいただきます。
当事務所では、そのようなお客様のニーズにも、1つ1つ個別のご提案をさせて頂きます。

内装業・工務店で会社設立する際のポイント

建設業の許可申請

建設業で開業・会社設立するためには、建設業許可を受けていないと請負うことができない工事があるため、まず、建設業許可の取得について知っておく必要があります。

建設業許可を受けていないと請け負うことができない工事は、1件の請負代金が税込500万円以上(建築一式工事は税込1,500万円以上)の工事です。
この金額に該当すれば、元請け工事か下請け工事かを問わず許可の取得が必要です。

逆に1件の請負代金が税込500万円未満(建築一式工事は税込1,500万円未満)の工事であれば、建設業許可を受けていなくても請負うことが可能となりますので、今後取り扱う工事がどちらになることが多いのか?ということをまず考えておく必要があります。

また、建設業許可を受ける場合、許可申請から許可が下りるまでに、1~2ヶ月程度の期間が必要となります。
そのため、建設業許可が必要な請負金額の工事を受注する可能性がある場合は、工事を受注するまでに建設業許可申請の準備が同時に必要になってきます。

 

建設業許可を取得するには

建設業許可には、一般建設業許可と特定建設業許可の2種類の許可の段階があります。
特定建設業許可とは、一般建設業許可より上位の許可で、元請工事を、下請を使って施工する場合にその下請け代金の額が3,000万円以上(建築一式工事は4,500万円以上)になる場合に必要となります。
元請け業者として大型の工事を請け負う場合には必要となりますが、多くの場合はそういったケースにはならないため、基本的には一般建設業許可の取得が必要になるとお考えください。

また建設業許可には『知事許可』と『国土交通大臣許可』の2種類があります。
『知事許可』…同一都道府県内のみに営業所を設けて建設業を営もうとする場合
『大臣許可』…二つ以上の都道府県内に営業所を設けて建設業を営もうとする場合
そのため、一拠点のみで独立する場合はまずは知事許可の取得を考えます。

 

建設業許可を受けるために必要な要件とは

一般建設業許可を受けるには以下の3つの要件を全て満たしている必要があります。

1)財産的基礎を満たすこと

・自己資本の額が500万円以上あること
・500万円以上の資金調達能力があること
・建設業許可申請直前の過去5年間、許可を受け、継続して営業した実績を有すること

2)経営業務管理責任者がいること

常勤役員のうちの1名が経営業務の管理責任者としての経験を有する者(建設業の経営に関する一定以上の経験を有する者)であることが必要です。これは名義借りではなく、常勤の役員であることが求められます。

経営業務管理責任者とは?

・許可を受けようとする業種に関して、5年以上の経営経験を有する者
・許可を受けようとする以外の内装業・工務店の業種に関して、7年以上の経営経験を有する者
・許可を受けようとする業種に関して、7年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、経営業務の補佐をしていた経験を有する者

 

3)営業所ごとに専任技術者がいること
専任技術者とは

・高等学校(又は大学)で許可を受けようとする業種に関連する学科を卒業し、5年(大学では3年)以上の実務経験を有する者
・許可を受けようとする業種に関して、10年以上の実務経験を有する者
・許可を受けようとする業種に関して、別に定める国家資格を有する者
専任技術者も名義借りではなく、その営業所に常勤して専らその職務に従事していなければなりません。
また、建設業許可の取得・更新時だけではなく、常に継続して必要です。
退職してしまった場合は有資格者を補充するか、補充できなければ廃業するかのどちらかということになります。

 

建設工事と建設業の種類

建設業は、工事の種類に応じて、2つの「一式工事」と26の「専門工事」に分類されています。
建設業許可を取得する場合、28の業種のうちから建設業許可申請をする業種を選択することに なります。
なお「土木一式工事」・「建築一式工事」は複数の「専門工事」を組み合わせた、いわば総合的な建設工事(一式工事)を行うための許可業種ですが、「一式工事」のみの許可で他の「専門工事」の業種を包括するものではなく、「専門工事」単独で工事を請け負う場合は「専門工事」の業種の許可を受けなければできませんのでご注意ください。

 

建設工事と建設業の種類
略号・建設工事の種類 内容・業種例
1.(土)土木一式工事 総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(橋梁工事、ダム工事)
2.(建)建築一式工事 総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事(住宅建設、増改築)
3.(大)大工工事 木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木造設備を取付ける工事(大工工事、型枠工事、造形工事)
4.(左)左官工事 工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事(左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事)
5.(と)とび・土木・コンクリート工事 イ:足場の組立て機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て、工作物の解体等を行う工事
ロ:くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事
ハ:土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
ニ:コンクリートにより工作物を築造する工事
ホ:その他基礎的ないしは準備的工事
6.(石)石工事 石材(石材類似のコンクリートブロック・擬石を含む)の加工又は積方により工作物を築造し、 又は工作物に石材を取付ける工事(石積み工事、コンクリートブロック積み工事)
7.(屋)屋根工事 瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事(屋根ふき工事)
8.(電)電気工事 発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事(発電設備工事、送配電線工事、変電設備工事、構内電気設備工事、照明設備工事)
9.(管)管工事 冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して 水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事(冷暖房設備工事、給排水・給湯設備工事、衛生設備工事、ダクト工事)
10.(タ)タイル・れんが・ブロック工事 れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、 タイル等を取付け、又ははり付ける工事(れんが積み工事、タイル張り工事、石綿スレート張り工事)
11.(鋼)鋼構造物工事 形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事(鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油・ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事)
12.(筋)鉄筋工事 棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事(鉄筋加工組立て工事、ガス圧接工事)
13.(ほ)舗装工事 道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等によりほ装する工事(アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事)
14.(しゅ)しゅんせつ工事 河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事
15.(板)板金工事 金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事(板金加工取付け工事、建築板金工事)
16.(ガ)ガラス工事 工作物にガラスを加工して取付ける工事(ガラス加工取付け工事)
17.(塗)塗装工事 塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事(塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、路面表示工事)
18.(防)防水工事 アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事(モルタル防水工事、シート防水工事、注入防水工事)
19.(内)内装仕上工事 木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事(インテリア工事、天上仕上工事、床仕上工事、家具工事、防音工事)
20.(機)機械器具設置工事 機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事(プラント設備工事、運搬機器設置工事、ガスタービン等工事、トンネル、地下道等の給排気機器設置工事)
21.(絶)熱絶縁工事 工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事(冷凍冷蔵設備、動力設備または燃料工業、化学工業等の設備の熱断縁工事)
22.(通)電気通信工事 有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事(放送機器設置工事、データ通信設備工事、情報制御設備工事)
23.(園)造園工事 整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造する工事(植栽工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、屋上等緑化工事)
24.(井)さく井工事 さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事(さく井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事
25.(具)建具工事 工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事(金属製建具取付工事、サッシ取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドア取付け工事)
26.(水)水道施設工事 上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事(浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事)
27.(消)消防施設工事 火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事(屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、消火設備工事)
28.(清)清掃施設工事 し尿処理施設またはごみ処理施設を設置する工事(ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事)

以上が建設業許可を受けるために必要な要件です。
開業した時点は満たすことが難しい要件もあるかと思います。
すぐに要件を満たすのが難しいという場合は、まずは建設業許可の必要がない仕事をこなしていくことになります。
そして、並行してこれらの要件を満たすことを目指し、ひとつひとつ要件をクリアできるようにがんばりましょう!

 

建設業における資本金

建設業で会社を設立しようと考えた場合、悩まれる部分が資本金をいくらにするかという部分です。
会社法では、資本金に関しては1円以上であれば、会社を設立することは可能です。

また、資本金が1,000万円未満の会社については、設立後2期分の消費税が免除されるという特典があります。
そのため、内装業・工務店を行っていく方にとっては、建設業許可に必要な500万円~1,000万円の範囲に設定にすることをおすすめします。

 

建設業は資金繰りに注意が必要

建設業の経営で、もう一つ重要なことが資金繰りです。
建設業の資金繰りには以下のような特徴があります。
・現在置かれている経営環境として一般的に利益率が低い
・外注費、人件費など、多額の支出を先にする必要がある
・工事完成までの期間が長い場合、請負代金回収までの期間も長くなる
・手形払いなど、業界慣行として請負代金の回収までのサイトが長い

このような特徴があるため、資金繰りに行き詰まる危険性を潜在的に抱えています
建設業の経営を進めるにあたっては、資金繰りについて細心の注意を払いながら行うことが大切です。
受注活動を行う場合も、事前に資金繰りが廻るかどうかを検討、対策しながら進めたり、工事代金の一部を前受金でもらうことができないか、支払サイトを早めてもらうことができないかなど、支払条件の交渉が可能かを常に検討するようにしましょう。

また、こうした資金繰りを安定させるために、当事務所では自己資金が不安な場合は融資のご提案をしております。
経営革新等支援期間として認定されている当事務所では、創業期の融資を低金利で受けることが可能です。
それ以外にも、お得な助成金制度の活用や融資制度の活用、節税策など、不安定な資金繰りを改善させるテクニックを、豊富な実績とノウハウのもと、積極的にご提案いたします。

 

社会保険・労災保険への加入について

社会保険・労災保険への加入は会社としての義務です。
最初の従業員を雇用した段階で、保険への加入手続きを必ずしましょう。
特に最近では、社会保険加入の調査が厳しくなり、設立間もない企業でも保険の加入状況を調査されています。
保険に加入していないことで、営業が難しくなる場合もあります。
建設業の労災保険、雇用保険の加入に関しては、元請け工事があるかないかにより手続き方法が違うなど、やや複雑です。
できれば、当事務所などの建設業の専門家に事前に相談することをオススメします。

 

当事務所が建設業に強い理由

許可申請なども含めたトータルサポート
当事務所では、建設業の会社設立をサポートしているだけではなく、会計・税務,また、提携社労士による労務相談などもご相談頂けます。
また、当事務所では建設業許可申請に際しての基本を押さえつつ、建設業許可申請者様の状況を客観的に分析させて頂き、当事務所でのノウハウ、経験、実績のコラボレーションにより、適切なアドバイスをさせて頂き、建設業許可申請から建設業許可取得までを最短でたどり着くようにサポートさせて頂きます。

 

多くの建設業のクライアントを持つ実績

当事務所では、多くの建設業様の支援をさせて頂いております。
そのため、業界特性をはじめ、建設業を運営する上での注意点をおさえております。
また、どのような経営計画を立てれば良いのか、どのような点に留意して会社を運営しなければならないのかを把握しています。

建設業の会社設立、開業後の経営でのご相談がございましたら、お気軽にご相談ください。
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